本日の本欄の担当は元東芝原発技術者の小倉志郎さんです

ー以下小倉さんの寄稿文引用ー

 2013年に親友のお母さん・M子さんが満100歳で亡くなった。親友の実家で、M子さんは90歳を超えても健康で一人暮らしをしていた。私はその家に時々遊びに行き、M子さんの手作りの鍋焼きうどんなどをいただき、歓談したことがある。時事問題についても関心が高く、何の違和感もなく対話ができた。ボケも無く健康でまもなく100歳になろうとするほど長生きができて、M子さんはさぞかし幸せなのだろうと想った。しかし、M子さんがぽろりと次のような嘆きをこぼした。「仲良しだった友だちが先に死んでしまい、話し相手がいなくてとてもさびしい」と。

 2017年にとても尊敬する医師のHさんが満100歳で亡くなった。Hさんの100歳の誕生日のお祝いの会に友人たちとおじゃました。満100歳なのに、記憶力抜群で、若い頃の暮らしを振り返りながら思い出を詳しく話してくれた。そして、こちらから質問したわけではないのに、ぽろりと次のようなことを語った。「今、一番幸せなことは、自分の身の回りの用事を他人に頼まずに自分でできることだ」と。

 日本で満100歳まで生きた男女から、ほんとうの幸せとはどういうことかを教えてもらった気がした。一つは「親しい友だちと対話ができること」、もう一つは「自分の用事を自分でできること」。こういう幸せのためならば大したお金も権力も必要がない。ほとんどすべての国民がこういう幸せを持てるような政治を政治家にはやってもらいたい。現在の日本の財政状況なら、やる気さえあれば確実にできるだろう。

 日本の歴代の首相、さらには、米国のバイデン大統領、ロシアのプーチン大統領、中国の習近平主席らは国民の幸せとはどういうことかわかっているのだろうか?

2021年11月15日 お元気だった頃のお二人を偲びつつ  記 小倉志郎

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