本日も担当は元東芝原発技術者の小倉志郎さんです

―以下小倉さんの寄稿文の引用―

 別に蛍狩りではないが、どちらが「甘い」か意見が分かれることがある。

蛍狩りの場合は「こっちの水は甘いぞ!」と蛍を呼ぶ。

ところが日本の安全保障論で「非武装・中立が良い」などと言うと「あなたの考えは甘い!」と、つまり、「甘い考え」などは賛成できないという批判的な意味だ。

実際のところ次の場合、どっちが「甘い(俗に言う甘っちょろい)考え」なのだろうか?

1)日本は今の憲法に書いてある通り非武装・中立で行く方が良い。

2)日本は他の国のように正規軍を持ち、米国との軍事同盟を維持する方が良い。

 読者の皆さんは1と2のどちらの方が「甘い考え」と思うだろうか。

「甘い」「辛い」は感覚的な評価であり、なかなか理屈では説明し難い。

ウクライナ戦争が勃発してから、国会議員や一般国民の間では「外国から攻められた場合のために強い軍事力があった方が安心だ」という風潮が高まっている。

即ち、1の方が「甘い考え」という感覚の人が増えたように見える。

しかしウクライナの現状を見れば、武力で抵抗しているがために国民は砲弾やミサイルが飛び交う中でまさに地獄の苦しみを味合わされている。

理屈から言えば軍備が決して国民の命と暮らしを守っていないことがわかるはずだ。

なのになぜ日本の世論はこちらの方が安心だと感じるのだろう。

ここに理屈と感覚のギャップがあることを認めざるを得ない。

このギャップを乗り越えることが護憲派の最大の課題だ

2022年5月8日 記 小倉志郎

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