「この世界に存在する差別、対立は話し合いで解決できないほど深刻だ」と考える自称現実主義者が戦争を防ぐためと言って憲法を改正して自衛隊を正式軍隊にしようと躍起だ。

差別には性、人種、民族など自然的・先天的属性に対する差別と領土・国境、宗教、文化、言語(方言)など人為的・後天的な決定や差異に対する差別がある。

この中で戦争の火種になりにくい差別は性差別、文化、言語(方言)差別くらいのものだ。しかしどれをとっても話し合いで解決できない紛争など一つもない。

文化の違いは尊敬の的にさえなるし男女差別は根深いがお互いに惹かれあったりもする。

どれをとっても話し合いで解決できる対立を権力者は愛国心、差別意識を悪用して国民を戦争に賛成させる。

自称愛国者、現実主義者は悪い国が攻めてくるかもしれないと恐れる被害妄想家でもあるので母国を守るため軍隊が必要と本気で考えているらしい。

しかし動機もなく他国に攻めこむ国などない。

もし攻めてくると心配するならその動機もハッキリ示すべきだ。

ならず者に動機などないと屁理屈を言うかもしれないが他国への侵攻の動機は 街の通り魔犯罪と違い必ずある。

素手でケンカをしない生き物は万物の霊長と威張る人間だけだ。

しかし反面、言語を保有し互いに意思を通じ合える生き物も人間だけだ。

人類の発展の歴史を振り返ると文明が発達するほどに人間は便利なコミニュケーション手段を手にして意思を簡単に伝えあえるようになった。

他方暴力手段・兵器の開発は加速度的で破壊力はこの地球さえ滅亡させかねないほどだ。

人間同士のコミュニケーションが便利になればなるほど紛争は話し合いで解決しやすくなるはずだが実際には逆に安易に戦争(暴力)によって目的を達成しようとする世界になった。

こんな矛盾がなぜ起こるのかと言えば、戦争によって利益を得る軍・産複合体や権力者が話し合いによる解決を故意に避けているからだ。

ウクライナ戦争におけるアメリカとNATO加盟ヨーロッパ諸国、追随する日本の動きもこれだろう。

2022年5月11日 記

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