日本が憲法を文字通り実現し非武装中立国家になったら危険、不安と考える人たちは護憲論者の中にもいる。

日本が自衛隊を廃止して非軍事組織「災害救助即応隊」に衣替えし米軍が本国に帰ったその後のことを考えてみよう。

日本を軍事的に一番欲しがっているのはアメリカだ。

日本がアカや独裁・専制政治国の脅威に対処する最前線(防波堤)として最適だからだ。

だから日本が丸裸になったら一旦は引き上げても又いつか武力を背景に無抵抗な日本を再び占領するというシナリオをまことしやかに語る改憲勢力もいる。

しかしそんなことはありえないことを説明しよう。

アメリカはこれまで世界中の国を資本主義化し民主化すると言ってイラク、ベトナム、中南米諸国などに軍事介入、あるいは戦争を仕掛けてきた。

なぜアメリカは日本を軍事占領しないか?

それはアメリカが占領期に短期間で天皇制・軍国主義国家だった日本の民主化を成し遂げた事実を成果として世界に誇っているからだ。

日本やコスタリカなど自由で民主主義的な国家の独立をアメリカが蹂躙することは彼らの掲げる価値観を自ら否定し泥を塗ることになる。

さすがのアメリカもそれだけは絶対に出来ない。

それこそがコスタリカが中米の難しい立ち位置にいながら非武装・中立を堅持できている大きな理由だ。

コスタリカがいくらキューバや中国と親密な友好関係を続けても文句は言えない。

一方中国・ロシア・北朝鮮にとっては日本が丸裸の中立国家になって善隣友好国となればもはや日本に戦争を仕掛ける根拠も大義名分も無くなる。

海上自衛隊が米第7艦隊と一緒になって彼らの領海から太平洋につながる出口をふさぐことも無くなり航行の自由が確保される。そして丸裸の日本に侵略される不安が無くなるのは勿論だ。

それでも「理由など無くても日本に攻めこむのが中国・北朝鮮・ロシアだから日本は万一に備えなければいけない」と言い張る人たちがいる。

それらの人たちは日本の政治家や外交力に全く期待が持てないことを公言しているようなものだ。

自衛隊や米軍ばかりでなく「政治家も外務省も、日本にはいらない」になってしまう。

ウクライナが独立後、真の非武装中立を貫き東部のロシア国境付近で少数ロシア系ウクライナ人の人権を尊重してきたならロシアには侵攻の口実はなく戦争は起きなかった。

2022年5月18日 記

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