本日は小倉さんの担当です

―以下小倉さんの寄稿文の引用―

 ウクライナ戦争が始まってから5か月近くになる。

これまで憲法9条を正しいとしていた友人の一人がその戦争の様子を見て「考え方を180度変えた。

やはり、日本は軍備を持つべきだ。

歴史や地政学の参考書を読みなおしてそういう結論に至った。

日本の近隣の中国、ロシア、北朝鮮は日本に隙があれば攻め込んでくるに違いない。

ウクライナ戦争がそれを証明した」と言うのだ。

コスタリカという1949年以来70年以上も非武装を貫き平和を保っている国があると言えば、「コスタリカと日本では地政学的条件が違うからモデルにならない」とコスタリカの事例など一顧だにしようとしない。

 地政学とは20世紀初頭にスウェーデンやドイツの学者が考え出した、地理的条件と国家の政治行動とを合わせて考える手法で、ナチスドイツの政策にも取り入れられたと言う。

現在の日本においても、書店の安全保障関係の書棚には「地政学」という文字がタイトルに入った書物がいくつも並んでいる。自国にとって仮想敵国が地理的にどのような配置関係になっていて、それらの国々がどれほどの軍事力を保持しているかを前提として、自国を守るにはどうすれば良いかという論考が書かれている。

地政学の落し穴は前提として近隣諸国を「仮想敵」と決めつける点だ。

国家とは人間の集団だから、日本に対する態度は固定されたものでなく、日本側の態度によって変化をする。

従って、地政学の結論は決して科学的真理ではない。

騙されてはいけない。

2022年7月22日 記 小倉志郎

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