本日の担当は小倉志郎さんです

―以下小倉さんの寄稿文の引用―

 憲法第9条に書いてある通り「非武装」が良いと言うと、改憲派あるいは「専守防衛軍備保有」論者から必ずと言って良いくらい「外国から攻められたらどうする?」という反論が来る。

挙句の果てには「相手がヒットラーのような人間だったら、丸腰では皆殺しになるぞ」とまで決めつけてくる。

こういう相手とは議論が先へ進まない。

 ここで、攻められる立場だけで考えるのではなく、攻める立場まで視野を広げて考えてみよう。

仮に、私たちが何らかの理由を持って他国に攻め入ったと想像してみよう。

その時に相手国が非武装で私たちに向かって何の抵抗もできなかった場合、私たちはどういう行動を取るだろうか?

少なくとも私個人としては、武器を持たない相手国民を銃や機関銃で殺すことはできない。

では、私たちの政府は自国の兵士たちに相手国民を皆殺しにしろと命令するだろうか?

私個人としては、それも想像することができない。  

それでも、改憲派あるいは「専守防衛軍備保有論」者たちは「ロシア、中国、あるいは北朝鮮の人間は日本人とは違うんだ」と主張してくる。

しかし、それら隣国の人間が日本人とは違ってはるかに残酷であるという証拠などどこにもない。

かつて第二次世界大戦中、日本政府は「鬼畜米英」と宣伝し、米英軍につかまったら男は惨殺され、女は凌辱されるから、「生きて捕虜になるな。死ぬまで戦え」と国民に命令した。

しかし、それが嘘だったことは1945年の敗戦で明らかになった。

「非武装」なら皆殺しになるなどという説に根拠など無い。

2022年8月16日 記 小倉志郎

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