―以下本日担当の小倉志郎さんの寄稿文の引用―

 最近、ミキ・デザキ監督作品「主戦場」という映画が注目を浴びた。

第二次世界大戦中、日本軍が戦場に設けた「慰安所」で強制的に兵士の相手をさせられた「従軍慰安婦」の存在や実態についての多彩な論者のインタビューから構成されている。

過去の事実はいったいどうだったのかという問題は日本とアジア諸国との間で未解決のまま時が過ぎてきた。

ところが、慰安婦像が欧米の各地につくられたことがきっかけで、論争の「主戦場」がアメリカになったのだ。

 今の日本では政府・自民党は「改憲」を唱え、それに対して野党の多くは「護憲」を唱える論争が続いている。

「護憲」派の中は軍備について「専守防衛軍備肯定」派や「完全非武装」派など不統一な面があるが、「改憲」反対のデモは国会周辺や首相官邸前で行われている。

言わばそこが「主戦場」であるかのようである。

しかし、いくら衆・参議員会館や首相官邸に向かってシュプレッヒコールを繰り返しても自民党議員も首相も護憲派の声を聴く耳など持ってはいない。

どんなにデモ隊の声が大きくても、その声は空にむなしく消えて行く。

この場所は主戦場ではない。

一票を持つ不特定多数の人々が日常の暮らししている場所、即ち、日本中の街頭こそ、主戦場だ。

日本の将来にとって「改憲」と「護憲」とどちらが良いかの論争の「主戦場」をもうそろそろ永田町から日本中の街頭に移そう。

2022年11月20日 記 小倉志郎

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