護憲派と言われる人たちの中に憲法改正(実は改悪)が国会を通過しても国民投票で必ず護憲派は勝てるから心配いらない、と話す人がいる。

万一改憲されてもその後に再度改憲をして今の憲法に戻せば良い、などと超楽天的発言をする人もいて驚かされる。

私は本書で「国民投票にかける前に必ず“仮に自衛隊を憲法に明記する改憲案が否決されたら今の自衛隊をどうするか、あらかじめ改憲賛成政党との間で念書を取り交わして置くべきだ」と書いた。

しかしこの考えに対しても国民投票で敗北すれば改憲派は勢いを失い2度と自衛隊の憲法明記などいい出さないし、自衛隊は専守防衛(実は専守防衛などあり得ない幻想だが)の元の姿(一体いつの自衛隊?警察予備隊の頃の?)に戻るだろう、などと呑気なことをいう人がいる。

だから護憲派はお花畑と改憲派から舐められる。

改憲案が国民投票にかけられたら間違いなく圧倒的資金力を持つ改憲派がマスコミを動かして勝ち憲法は改悪される。

幸いにして護憲派が勝っても改憲派は自衛隊の国防軍化の野望を絶対にあきらめない。

集団的自衛権行使も敵基地攻撃能力の保有も防衛予算GDP2%もそのままにするだろう。

結果がどう転んでもいいことのないのが改憲の国民投票だ。

ひとたび改憲されたら未来永劫現行平和憲法への復帰など不可能に決まっている。

戦後78年間未だかって護憲政党が国会の過半数の議席を取ったことすらない。

それがなぜ憲法改悪後の国会で憲法第9条を現行の条文に戻す改憲発議の衆参両院でそれぞれ3分の2の議席が取れようか?

この程度の認識もない楽天的護憲派がいることに驚く。

今春の統一地方選挙およびその前後にも見込まれる衆議院総選挙は今年、国会で改憲の発議を止める関ケ原の闘いなのだ。

2023年1月17日 記

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