第二次再審請求差し戻し審で、東京高検は20日、再審開始を認めた東京高裁決定に対し、最高裁への特別抗告を断念した。

今後静岡地裁で再審公判が開かれ恐らく袴田さんに無罪が言い渡される公算が高い。

インド、ウクライナを訪問した岸田首相は、故安倍元首相と同様、何とかの一つ覚えで「法の支配」を持ち出して中国・ロシアを非難している。

さて刑法は国民が守るべき法律ではない。

裁判官検察など司法の権力者は被告が首相であれ自分の家族であれ「殺人罪は死刑または無期懲役」と法律に従って差別してはならないと国民ではなく権力者に守らせる法律だ。

憲法と同様、守るのは権力者だ。

今回の袴田さんの冤罪が確定した場合、国家は法の支配のもとに苦しめた袴田さんへの罪をどのように償うつもりか。

もし死刑が執行されていたら袴田さんは生き返らかった。

国家による法の支配の名の下の取り返しのつかない重罪だ。

袴田さんの死刑判決に関わった裁判関係者は過去57年間に相当数になろう。

48年間の不法監禁罪として関係者全員に罪を償わせるべきだが実際は国家賠償責任制度による金銭支払いで済ませるだけだろう。

袴田さんの87年の人生の大半を死刑囚として奪った責任は金銭で償えるものではない。

狭山事件の石川さんも同じだ。

和歌山カレー事件の林眞寿美被告も冤罪の可能性が高い。

殺人の動機も証拠もない中で不確かな目撃証言、状況証拠だけで死刑判決を下し現在再審請求中だ。

物的証拠の不在ないし捏造の可能性の点で袴田さん、石川さんと同様だ。

冤罪には多くの場合被告に対する差別・偏見(部落民、ボクサーなど)が原因になることが多い。

アメリカでも死刑囚に占める黒人の割合はダントツで冤罪の可能性割合も死刑囚の4.1%と高いとの研究もある。

死刑は冤罪の場合取り返しがつかない野蛮な刑罰だ。

袴田さんの冤罪の償いとして岸田内閣はヨーロッパでは常識の死刑廃止(刑法改正)を根強い死刑存続の民意も国会も無視して得意の閣議決定で決めるべきだ。

2023年3月22日 記

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