―以下本日担当小倉志郎さんの寄稿文の引用ー

 「シェルター(Shelter)」を直訳すれば「避難所、隠れ場」となるが、「防空壕」という意味もあるようだ。

先の戦争中、1945年5月に我が家の地域が米爆撃機群の大空襲に遭った時、幼児だった私を母が蚊帳にくるんで庭に掘ってあった防空壕に入れてくれたそうだ。

その防空壕は地面を深さ1メートル程掘って板で屋根をつけてその上に少し土をかぶせた程度だから、横からの爆風は防げても、爆弾が直撃したら中に居ても助からなかっただろう。

幸い直撃爆弾が無く、今も私は生きている。

我が家にはテレビが無いが、友人によると昨日の朝、フジテレビの番組でシェルターが話題になったと言う。

核爆弾を落とされても、その中に避難していれば、1週間は無事に生き延びることができる頑丈で便利なもので、〇千万円で販売しているとメーカーが宣伝し、そんな話題をコメンテーター達が「真面目腐って」議論をしていたと。

今後起きる戦争において、核爆弾が落とされるか、原発が攻撃されるかどちらにしても環境が放射能で汚染されてしまうだろう。

仮に1週間生き延びたとしても、シェルターの外は人が生存できる環境ではなくなっている。

「戦争になっても助かるためにこんなシェルターが役に立つ」などということを宣伝する番組は、戦争に向かって暴走する日本政府の政策にブレーキをかけるどころか、加速させるものだ。

2023年4月24日 記

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