―以下小倉志郎さんの寄稿文の引用―
今や世界中で「報復」と称してあっちでもこっちでも武力攻撃が行われ、多くの老若男女の命が奪われている。
ガザのパレスティナ人たちへのイスラエルの殺戮行為も昨年10月初頭のハマスのイスラエルへの攻撃への「報復」を理由に挙げている。
今年の1月28日にヨルダン内米軍基地がドローン攻撃を受け、米兵3人死亡・40人以上が負傷という事件があった。
これもイスラエルのガザ攻撃を支援している米国への「報復」であろうと評されている。
米軍は早速、シリアやイラク内の武装グループの複数の拠点へ空爆を行った。
これも「報復」と称している。
元々、中東には「目には目を 歯には歯を」と言うごとく、被害者が自分の受けた被害に応じて、加害者に仕返しをして良いという暗黙のルールが普及している。
その大元はハンムラビ法典と言われている。
紀元前18世紀というから、今から3800年ほど前にハンムラビ王により制定された「報復」を認める言わば「国際法」が利用されていると言って良い。
しかし、待ってほしい。
ハンムラビ法典が認めている報復とは「受けた被害に同等の加害」までである。
もし、このことをイスラエルが守っていたならば、もうとっくにガザの殺戮は終わっていたはずだ。
古代の人々がハンムラビ法典を守りながら暮らしていたとすれば、私たちは古代の人々に見習わねばならない。
2024年2月13日 記
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