―以下小倉志郎さんの寄稿文の引用―

 民主主義が本来の機能を発揮するには人々が世の中で起きていることについて、真の情報を共有することが必須だ。

しかし、真の情報の入手は個人でも至難だし、国民全体がとなるとさらに難しい。

情報を集めるのが上手な人が「アンテナが高い」と評されるのは当然だ。

昔は遠くから届く電波を感度良く受信するにはアンテナを高くする必要があったが、最近はアンテナの性能が高まり、衛星放送用には窓際にお皿のようなアンテナを衛星の方向に向けて設置すれば良く、アンテナは必ずしも高い必要はなくなっている。

それより、いくら沢山の情報を入手しても大手マスメディアが発信する情報が信頼できないことの方が大問題だ。

情報洪水の中で情報の真偽を見分けるのは個人にとってはほとんど不可能だ。

思い出すのは10数年前に観た動画の中で学生からの質問「どのメディアの情報を信ずれば良いですか?」に対して、チョムスキー教授が特定のメディア名を示さずに「信頼できる小人数の仲間で情報交換をすることだ」と答えたことだ。

その時、教授がわざわざ「小人数の」という言葉をなぜ使ったのか不可解に感じたのだが最近ようやくわかった。

パーキンソンの法則によれば7人程度までならば司会者無しのコミュニケーションがやり易いそうだし、約20年間小人数の勉強会を続けた体験とも合致する。

たとえ自分のアンテナが低くても信頼できる仲間との情報交換が有効なことは教授のお墨付きだ。

2024年3月12日 記

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