―以下小倉志郎さんの寄稿文の引用―
一昨日(5月21日)【エルサレム共同】によると、イスラエルのネタニヤフ首相は20日、「ガザでの戦闘はハマスの奇襲攻撃を受けた自衛ための『正当な戦争』だ」という声明を発表した。
高い壁で包囲し、その中に閉じ込められた200万人のパレスティナ人たちにミサイル、戦闘機、戦車などで攻撃をし、既に3万人を超える人が殺され、更に多くの人々が負傷をしている。
外部から届く救援物資も、検問所をイスラエルが占領しているために必要な人々のもとに届いていない。
この状況に対して、世界中の多くの人々が「ジェノサイドを止めろ」とイスラエルの攻撃に抗議の声を上げているにもかかわらずだ。
しかし、ネタニヤフ首相が異常なわけではない。
人類の歴史で国家が戦争を始めたり、継続する時に、自らの武力行使を「不当」と称した例を聞いたことがない。
全て、自らに「正当」の、相手側に「不当」のレッテルを貼るのが常である。
即ち、戦争は「正当」と「正当」との殺し合いなのだ。
A国とB国とが戦争している場合、「Aが悪でBが善だ」とかその逆を周囲の国が評しても、戦争が止むわけがない。
戦争を止めるには「勧善懲悪」論ではなく、「戦争という殺し合いという方法が悪だ」というのが正解だ。
何のことはない。
これこそ、日本国憲法第9条が示している解決方法だ。
2024年5月23日 記
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