―以下小倉志郎さんの寄稿文の引用―

 去る6月3日のコスタリカに学ぶ会の勉強会でNHK特集番組「自衛隊変貌の先」(2023年12月10日放映)の録画を視聴したことを本HPで書いたが、その中で心に引っかかっている場面がある。

番組の中で大分県の自衛隊基地の弾薬庫増設に関しての部分だ。

周辺住民への説明会において、弾薬庫増設の自衛隊基地は戦争になれば敵軍の攻撃目標になるのは当然で、その時にどうやって住民が守られるのかを質問しているのに、防衛省の官僚は「(自衛隊が)攻められないための抑止力になる」とはぐらかしたのだ。

これは住民に対して不誠実どころか虚偽の説明をしている。

なぜなら、自衛隊の日常行っている訓練は敵軍から攻められた場合を想定して、武器・兵器を使った戦闘訓練であり、ミサイルが降ってくる事態で、自衛隊が住民たちをどのように守り、救助するかの訓練などやっていないし、戦闘が始まらないための自衛隊の訓練などまったくやっていないのだから。

誠実に答えるとすれば、「自衛隊の役割は戦闘が始まった後の反撃である。

戦闘が始まらないための役割は政府の別部門(例えば、外務省など)が担っている」と正直にいうべきだ。

「もし、戦闘が始まってしまったら、住民を守ることはできない」となるだろう。

総理大臣をはじめとして、大臣たちは「丁寧な説明をして、国民の理解を得る」と度々言うが、こと安全保障に関する限り丁寧な説明をしたことなど一度もない。

2024年6月29日 記

\この記事が気に入ったらぜひSNSでシェアしてください!いいねボタンも押して頂けるとうれしいです!/