―以下小倉志郎さんの寄稿文の引用―

 「刷込み」とは生物学の用語で、動物が生後間もない特定の期間内に感覚にとらえられた物事を固定的に認識し、以後同じ物事に接すると機械的に反応することだ。

このような動物の特性を利用して、国民を集団として一定の行動を取らせる宣伝効果を上げたのが、第二次世界大戦で各国政府が国民に戦争へ協力させるためにつかった手法で、とりわけドイツ・ナチス政権の宣伝方法は有名である。

「ウソも100回繰り返せば、国民は本当だと信じる」と。

日本においても、同じ手法が「教育勅語」で利用された。

「日本は万世一系の天皇が統治し、天皇は生きた神である」と。

私の3人の兄は歳がそれぞれ私より10歳以上も年長で、皆、小学生時代に「教育勅語」を暗唱させられた。

合わせて、神武天皇から当時最も新しい昭和天皇までの全ての天皇の名前と順序も暗唱させられた。

そのようにして「神である天皇の命令に国民は絶対服従しなければならない」という観念が刷り込まれた。

この「刷込み」手法が、今政府によって子どもたちに対して使われている。

「防衛省・自衛隊Kids Site」(https://www.mod.go.jp/j/kids/)には「自衛隊は皆さんの命と暮らしを守ります」という物理的に不可能なウソが堂々と書かれている。

批判的理性が未熟な子どもたちはこのウソを本当だと信じてしまうだろう。

このような政府の宣伝がどんな結果を生むか想像するととても恐ろしい。

2024年7月3日 記

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