―以下小倉志郎さんの寄稿文の引用―
「権利と義務」と言っても倫理・道徳の話ではない。
自民・公明政権が進めている軍備増強政策にからむ話だ。
そもそも権利とは「〇〇することができる」という意味で、義務とは「〇〇することをしなければならない」という意味だ。
「○○する」を「国民の命と暮らしを守る」と具体化してみよう。
これだけでは、「国民の命と暮らしを守る」が権利か義務かわからない。
先日ここで紹介した防衛省・自衛隊Kids Siteには「自衛隊はみなさんの命と暮らしを守ります」と、ミサイルが飛び交う現代戦においては物理的に不可能なことが書いてある。
Kids Siteとあるように子どもを対象としているので、こういうウソが通じるという魂胆なのだろう。
一方、自民党の改憲草案を読んでみると、憲法第9条が書き換えられて自衛隊が正規の軍隊「国防軍」として書かれている。
国防軍は戦闘行為に加えて「又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる」と書かれている。
何のことはない、国民の命もしくは自由を守ることは義務ではないのだ。
つまり、万一戦争が起きて国民に被害が出て、国民が補償を求めても政府は責任を問われない逃げ道が既に用意されているのだ。
憲法が自民党草案のように改訂されたら、時の政府は責任の心配をせず戦争に踏み切れるではないか。
「戦争はしたくない」と言っていても、自民党はいざとなったら戦争をやるつもりだ。
2024年7月5日 記
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国防軍案のように「権利と義務」を注意深く読まないとだまされてしまいますね。
本来権利と義務がほぼイコールの社会があるべき姿なのではないかと思いますが
多くの日本人は長年の封建社会の下でお上に逆らえない服従精神がDNAのようにの生き残っているせいか、権利と義務のバランスが著しくいびつになっている気がします。
社会的にも自己に対しても義務については非常に厳しく、権利の主張についてはかなり抑制的ですね。
憲法に保障されている数々の権利についても実現されていないことが多い中、もっと権利意識を向上する教育が必要なのではないでしょうか。
イギリスの総選挙で国民生活の悪化に怒った多くの市民が労働党圧勝の結果をもたらしたように、日本人がもっと権利意識を高めることによって政治や社会が変わっていくのだと思っています。