―以下小倉志郎さんの寄稿文の引用―
昨日(2024-08-03)の東京新聞夕刊に「戦争を避ける努力こそ」というタイトルで、高橋杉雄氏(防衛研究所・防衛政策研究室長)の長いインタビュー記事が載った。
その最後の方に、高橋氏の言葉として「単純化すれば、軍事的勝利で得られる成果(メリット)より、そのコストが大きいと思わせることが大事。」
「ある程度の軍事力を持たなければ、相手によっては外交で同じ土俵に上がれないこともある。」と。
つまり、タイトルの「戦争を避ける努力」には「軍事力を持つこと」が必要だと説いている。
憲法第9条を持つ日本の政府の一員の高橋氏がぬけぬけと「軍事力必要論」を語っている。
公務員としての憲法遵守の義務など念頭に無いようだ。
それはともかく、現代の戦争において、「勝利で得られるメリット」などあり得るのか?
戦争とは殺し合いだから、国境侵犯を防ぐことができたとしても、多くの国民が命を奪われることは避けられない。
どんなに近代的な兵器をそろえても、戦争が続く限り、国民の犠牲は時間と共に増えるばかりだ。
まして、原発という膨大な量の放射性物質を溜め込んだ原発を海岸線に並べた日本は戦争によって国土が放射能だらけになって、国民が生物として生存できる国土を失いかねない。
政府自身が原発を軍事力では守れないことを認めている。
メリットがあると判断できれば戦争が始まるかのように高橋氏は述べているが、軍備があれば理性的判断に寄らずに暴発的に戦争が始まる可能性もある。
「戦争を避ける努力」などしなくても、「非武装」ならば戦争が不可能なことに高橋氏は気が付いていない。
2024年8月4日 記
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