―以下小倉志郎さんの寄稿文の引用―
「抑止力」という言葉が、自衛隊という武力組織を持つことを正当化するための詭弁であることはこのHPでも説明したことがある。
詭弁ではあるが、いまだに国内だけでなく世界中で軍事力を正当化する場面で威力を発揮し続けている。
米軍は、米・日・韓の共同軍事演習を中国・北朝鮮に対する「抑止力」の強化に役立つと宣伝する。
台湾への兵器の供給も中国による武力攻撃への「抑止力」に役立つと。
「自衛力」と言えば「攻められた時に反撃をする力」と解釈されるが、「抑止力」と言えば「攻められないための力」となり、戦争が起こった場合を心配する国民により受け入れられやすくなる。
自衛隊の実体は同じでも、呼び方を変えるだけで印象がまったく異なるのだ。
まさに言葉の魔術である。
ところで「抑止力」なる自衛隊の存在やその増強は、相手国から見れば軍事力による威嚇であり、挑発でもある。
これは軍事的対立・緊張を高め、戦争の可能性を高める。
こんなことは相手国政府の幹部たちの気持ちを想像すればすぐわかることだ。
即ち、「抑止力」と呼ぶ軍事力に真の抑止力は無いのだ。
こんな馬鹿げたことが世界中でまかり通っているのはなぜか?
それは単純だ。
「抑止力」と称して、軍事力が重視されて兵器の需要が増えれば、世界中の軍需産業とそこへ投資している投資会社や大金持ちらが儲かるからだ。
兵器を買うのは政府であるから、損をするのは税金を納める国民だ。
2024年8月6日(ヒロシマ原爆忌に )記
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