―以下小倉志郎さんの寄稿文の引用―

 軍備必用論者は「攻められたらどうする?

強盗に襲われた時、丸腰じゃ困るだろう。

やはり、軍備は必要だ」と畳みかけてくる。

このように言われた護憲派の人々の中には、憲法第9条の改悪には反対しながらも、「専守防衛のためなら、今の自衛隊があってもいいかな」という中途半端な妥協をしてしまう人が多い。

従って、世論調査をすると、憲法第9条の文言通りに「戦争放棄・非武装」に賛成する人が10%程度に留まってしまうのだ。

この軍備必用論者および護憲派との間のやり取りの中に、大きな誤解が隠されている。

それは、軍隊と護身用の武器(ピストルなど)との間に決定的な違いがあることだ。

ピストルは意思の無い単なる道具だ。

一方の軍隊は、考える能力も感情も持ち、戦争をする技術を訓練した人間の集団だ。

ピストルは人間が触らない限り、ピストル自体が動くことはない。

しかし、軍隊は自分たちの意思を持ち、回りの人間が何もしなくても、自分の意思で行動を起こすことができる。

日本では中国大陸に進駐していた関東軍が自分たちの意思で中国との戦線を拡大して「15年戦争」と言われ、1945年に敗戦する戦争によって、全国民に地獄のような苦しみを与えた。

そればかりではない。

軍隊は自分たちの組織の規模を拡大し、常に新しい兵器を装備しようとする意志をもっている。

人間集団であるかぎり、この軍の意思を無くすことはできない。

非武装は単なる「丸腰」ではない。

意思を持つ軍隊の危険性を予め取り除くことだ。

2024年8月14日 記

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