―以下小倉志郎さんの寄稿文の引用―

 憲法第9条の文言通り日本が自衛隊を無くし非武装を実現したらどうなるか?

「丸腰(非武装)で攻められたらどうするのか?」は武装肯定論者の常套句だが、日本政府も批准しているジュネーブ条約第一追加議定書では「戦時に文民たる住民それ自体及び個々の文民は、攻撃の対象としてはならない(51条)、紛争国同士が合意した無防備地区を攻撃することは手段のいかんを問わず、禁止する(59条)」とされている。

かりに兵士であっても、武器を置いて白旗を上げるなどして戦闘する意志を放棄した者を攻撃することも禁じられている。

敵の軍に対して、たとえピストルなどの軽武装であっても、一発でも発射して敵兵を殺傷したら、それは戦意ある者として反撃される。

即ち、殺し合いが始まる。

それはどんなに小規模でも「戦争」である。

一度始まった「戦争」はエスカレートするのが歴史上の事実だ。

国際法上では非武装なら戦争に巻き込まれないはずなのだが、それは相手側が国際法を守ってくれた場合の話だ。

もし、相手国が非武装の日本に対して攻め込むとすれば、自国民および世界に向けてなんらかの大義名分をつくらねばならないだろう。

これは至難だ。

おそらく「元々自国の領土を取り返す」とか「攻撃されたから報復する」位が関の山だ。

いずれにせよ、非武装の効果を発揮するための肝は「相手に一発も撃たせないこと」およびそのために「日本側も一発も撃たないこと」だ。

相手国の兵士も人間だ。

武器を持たず攻撃される可能性の無い人間を撃ちたいとは思わないだろう。

2024年9月19日 記

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