―以下小倉志郎さんの寄稿文の引用―

 「中国船が尖閣諸島に近づいた」「中国軍機が領空侵犯した」「北朝鮮がミサイルを発射した」「ロシア軍機が領空侵犯した」というニュースには必ずと言って良いほど、「脅威」という言葉が付いて報道される。

「脅威」とは例によって広辞苑によれば「威力によっておびやかしおどすこと」と解説されている。

上のニュースでは具体的にどんな「おびやかし」や「おどし」があったのか説明が無い。

一方、今年の7月には海上自衛隊の護衛艦が中国浙江省沿岸の領海に侵入した。

最近になって、領海侵入の原因は護衛艦艦長が気付かなかったと防衛省から発表があり、中国へもそう報告したと。

即ち、領海侵犯や領空侵犯が「脅威」か否かは即断などできないのだ。

にもかかわらず、日本国内では相手側の意図を良く確かめもせずに「脅威」という言葉を政府がマスメディアを使って流し放題だ。

よく考えてみよう。

日本列島は中国、朝鮮、ロシアに対して、太平洋への出口を塞ぐような形で並んでいる。

しかも、日本全国には世界一強力な米軍の基地が設置されている。

中・朝・ロから観れば、日本こそ「脅威」に感じられて当然だ。

その結果、対抗して彼の国々が自国の軍事力を誇示しようとする。

本当に平和を望むのであれば、先ず日本が近隣諸国から「脅威」と思われないようにすべきだ。

2024年9月27日 記

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