―全てお金に換算―
仕事の効率化を求めるのは万国共通ですがイーロン・マスク氏は連邦政府職員に1週間の仕事の成果を書かせ不提出者は退職希望者と見なす、と通告したらしいです。
全ての仕事の成果を数値化・可視化して業績や企業貢献度合いを判断し評価するのはアメリカ式です。
僕も50年前にアメリカのビジネススクールに留学しましたがその目的は当時アメリカでは主流の計量経済、統計学など科学的経営手法を学ぶためでした。
日本的な経営、すなわちデータより顧客の人間性の判断を優先し感性、勘を頼りに顧客との良好な関係を築いてビジネスを進めるやり方に慣れ親しんでいた僕たちにとっては新鮮で科学的に思えるやり方でした。
効率化という言葉に魅力を感じ、それまで“なぁなぁ”で経営してきた銀行に新たな経営手法を見出すキッカケ、発見があるのではないか、が留学の目的でした。
ここでこれらの成果や業績を可視化、数値化する基準はすべてお金です。
一国の経済規模を示す指標の「消費や設備投資」などを金額表示するGDPもその一つです。
日本経済の特色はお金では計れない付加価値、元タレント(世襲政治家夫人)が「お・も・て・な・し」と表現した日本独特のGDPの数字に直接反映されないサービスが非常に多いことです。
1970年代までは日本式労働慣行で社員には色々な形(終身雇用、年功序列賃金、家族丸抱えの面倒見)で労働対価として不十分とはいえ気配り経営で労働者に報いてきました。
これらのサービスをアメリカのチップのように可視化し有料にしようとしたのが小泉竹中以降の日本経済のように僕は思います。
従来の普通の労働者(今では「正規労働者」と呼ばれる社員)の給与水準を上げずに働かせ、サービス労働の部分は非正規労働者をあてて低賃金で使い捨てにするやり方です。
これにより労働者全体に対する賃金(労働分配率)を下げて法人所得を増やし内部留保を積み上げるやり方です。



2025年2月26日 記
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