僕はかつて靖国神社近くの会社に勤務していたことがあり、昼休みは「昭和館」(戦中と戦後の日本の国民生活の資料を展示する国立博物館)に殆ど毎日のように通い、上映されていた戦争前と戦争中の「ニュース映画」【1週間ごとに内容が変わる】を興味深く観ていました。
テレビの無い時代に映画館で上映されるニュース映画は社会の出来事を映像で見られる唯一の方法でした。
そこでは水着姿のアメリカ白人女性にあこがれる日本人男性、居酒屋で酒を飲み上司の愚痴をこぼすサラリーマン、カフェやレストランで楽しむカップル、等、中国大陸で勇猛に戦い(日華事変と言い戦争と言わないから今の尖閣紛争的感覚)勝利をおさめる日本兵の雄姿とともに当時も現代とほぼ同じ庶民の日常生活風景が映し出されています。
今の日本の日常風景と殆ど変わりません。
街に軍服姿の兵隊の数はさすがに当時の方が多かったですが軍服(制服)で外を歩く自衛隊員も最近はよく見かけます。
2.26事件や日華事変が起きた後でもそんな情景が街には溢れていたのです。
「贅沢は敵だ」と生活が次第に不自由になっても、まさか、たった数年後に310万人も命を失う太平洋戦争が4年近く続き広島と長崎に原爆が投下されると誰が想像したでしょう。
当事ヨーロッパでの戦争の映像が毎日ニュース映画で流れ(これも現代のロシアとウクライナ戦争、イスラエルのパレスチナのガザ虐殺映像と同じ)ていても1930~40年にかけ大概の日本人は相変わらず戦争を他人事のように気楽に生活していたのです。
日本初のプロ野球試合があったのも日華事変勃発の前後です。
当事の庶民も今の庶民の生活と大差ありません。
軍隊を持ち弾薬・武器を持って軍事訓練をしている限り戦争は、ある日必ず現実となります。
そんな昭和10年代の歴史的事実をニュース映画でほぼ毎日見ていた僕はウクライナもパレスチナも他人事としてお気楽に過ごしている今の日本の世相に危機感を感じざるを得ません。
戦争をしない、巻き込まれないために今しかできないことがあり過ぎます。
しかしいくら僕が危機が迫っていると絶叫しても誰も見向きもしないのは現代の老若男女全てがこの事実を忘れたか、知らないかの、どちらかなんだろうな、と心配で仕方ないのです。
ーこの項終わりー
杉並区梅里の「9条の家」での「改憲派・護憲派仲良く座談会」は本日午後1時からです。

2025年4月23日 記
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