―昨日の続きー

何故この国が「9条」を変えなくてはいけないとされてしまったのかという本当の理由がこの2006年5月1日、日米両政府で最終合意した「在日米軍再編成」によって多少は見え易くなっているように思う。

表向きは普天間基地の移転という沖縄の負担の軽減を目的とするように演出されながらそしてあくまでそのための「在日米軍」の再編である、と言い繕いつつ、しかし現実にはとうとう自衛隊が世界規模の米軍の再編に合理的に組み込まれてしまったと考える方が正しいのはいくらなんでもたいていの人が気づいているだろう。

なるほど自ら費用(注:3兆円4兆円といわれる移転費用)を負担することを了承しアメリカの軍事戦略により積極的に組み込まれることを望んでしまった、この国の現実がその意味で「前文」や「9条」と決定的に相容れないのは当然だと言える。

流石に4兆円と言う数字を示されるに及んでようやくアメリカの意向の中にこそ「九条」改正の本当の理由があることは実感し易くなったのではないだろうか。

この国が「武装」し「日米同盟」に参加することが全ての論議の前提となっている現在、「武装」せず、どの国の軍事戦略にも加担しないという選択肢を理想主義、空論と鼻で笑う事は簡単だ。

しかし、もし北朝鮮が攻めてきたら、もし中国が攻めて来たらという類の想像力をいたずらにたくましくし、それが安全保障論の根拠となっているのが現状だ。

だとすれば、そうではない別の方向に自分たちの想像力を具体的に積み重ねていく努力をすることで、この国の世論は少しは冷静さを取り戻すべきではないか。

そのように考え、僕は新たな版元となった明石書店を介して著者の石橋政嗣氏から復刻の復刊の了解をいただいた。

石橋政嗣氏の名さえ恐らくは聞いたことのない世代に向けて、この国がこれからでも取り得る自分たちの選択肢として「非武装中立論」という「新しい思想」を構築する第一歩としてのみ僕は本書の復刊を考えるものだ。

だからぼくは「非武装中立論」がたった今「使える」(注:今こそ主張すべき)と考え、かつて本書の立場を支持した人々が本書のことを忘れてしまったのなら、ぼくたちが「もらってしまおう」と呼びかけよう

―続くー

参議院選挙公示日の昨日、新宿駅南口で第一声を上げました。

新宿から神田駅前東口へ移動しラサール石井さんと街宣を終え私は新幹線にて新花巻に移動、

明日から岩手県街宣のスタートです。

「コスタリカ流 平和の風を国会へ」でその様子をご覧ください

2025年7月4日 記

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