去る9月27日に東京神田で10年ぶりに開催されたという証言集会に行きました。

最高齢は100歳、証言者の大半は90代の生存者でした。

それぞれに戦争中の体験を証言しましたが終戦時に20歳の人が最高齢ですから所謂、命を奪い合う戦場を体験した兵士は殆どいませんでした。

私が就職したのは敗戦後21年目の春でした。

支店長は大卒後、召集され終戦時は陸軍小尉として2000人の将兵を南方から引揚船で帰還させた戦場体験者でした。

職場の上司の大半は40前後でしたから戦闘体験者は他にもいたはずです。

当時は戦争から解放され皆前向きな時代、職場で戦争の話など全く聞いたことがありません。

さて本題です。

証言者はそれぞれ辛い戦時中の思い出を語り異口同音、戦争は絶対に御免だ、と言って証言を終えました。

第二部のシンポジュームはいずれも60代の井上寿一元学習院大学学長、水島久光東海大学広報メディア学科の二人がそれぞれ、証言を残す意味、証言を今の社会にどう活かすべきかについてそれぞれ問題提起されました。

いつもながら今回の反戦集会も私の期待は裏切られました。

戦争は悲惨、非人間的で野蛮な所業ですから体験者ならずとも誰しも反対するのは当然です。

改憲派も反戦平和を言うし現役自衛隊員も戦争の準備をしながら戦争反対と言うでしょう。

大切なのは悲惨な戦争を絶対に繰り返さないためには軍備を全廃すべきである、と証言者が自分たちの体験的結論として語ることではないですか!

しかし証言者は体験を証言するだけで充分であり結論まで証言者に語らせるのは無理でしょう。

未来に向けた結論をまとめとして総括するのはパネラーや主催者の役目です。

私が期待していた証言集会の結論は今回もまったく聞けませんでした。

故人の証言ではありますが遠藤三郎元陸軍中将(陸士26期)の証言記録に是非触れてみてください。

彼の戦前・戦後に亘る貴重な証言は彼の自叙伝「日中15年戦争と私」(前書きにはー次代の若人に残す生きた昭和史ーとある)にあります。

彼は南方での戦場体験、本部参謀、陸軍航空士官学校長、軍需省航空兵器総局長官などを経験したエリート軍人でしたが戦後一貫して軍備全廃を訴えました。

プロ中のプロ軍人遠藤三郎翁の体験に基づく非戦非武装論を論拠とし私自身が検証したコスタリカの非武装中立の実践を書いた拙著が広まって世論になれば日本は変わります。

そしてそれを実現する政治家を国会に送れば日本の恒久平和が実現します。

2025年10月12日 記

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