ワシントンの極東委員会(会場は元駐米日本大使館)は芦田の修正案を見て、将来自衛のためと称する戦力を保持するための修正と直ぐに見破っています。

特に中華民国(現台湾)代表はこれは絶対認められない、と。

そしてソ連代表もオーストラリア代表も同意見。

極東委員会のアメリカ代表はこの修正を加えた新憲法草案を何としても通すために

強く反対している諸国、特に中華民国を納得させるため新たに文民条項を加えるよう日本政府に求めました。

それが侵略戦争を再び起こさないようにするための憲法第66条です。

憲法第66条(内閣の仕組みと、国会に対する共同責任)2項:

内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。

戦争放棄を宣言した日本には軍人がいるはずもないのに、文民条項を書いたのは

そもそもGHQも極東委員会もいずれ日本が軍隊を復活させることを見込んで追加したのだと自衛隊合憲論者は言います。

憲法制定当時、日本には元気な旧帝国軍人(過去の職業軍人)がたくさんおり、彼らが国会議員となってこの自衛隊合憲論を主張する懸念もありました。

事実、国会(貴族院)も政府も「文民条項」が9条との対比において「無用であることを予想」したうえであえて「文民」という言葉を導入したのは「過去に職業軍人であった人」を排除する趣旨に理解していた。

「誰も芦田修正によって第9条の意味が変えられ、9条の下で軍隊の保有が合憲になるとは、考えていなかった」旨が強調されていたことを学者(山内敏弘)などが指摘しています。

確かに既に東西冷戦の最中なので、日本を反共の砦にしようと考える人間がGHQ内部にいて帝国陸海軍の復活を想定していたのは今では事実として知られています。

(服部卓四郎元軍大佐を復員局内で温存、

海軍復活を計画するM委員会の存在など)

アメリカとしては天皇制を温存する以上、軍隊の復活は「皇軍と天皇制の侵略セット」の再現だけに絶対に阻止したかったのも本音。

戦後、辻正信元陸軍参謀や旧海軍大佐源田実が国会議員になりました。

元海軍大将だった野村吉三郎氏は戦後、参議員議員になりましたが彼を防衛庁長官にする人事案が提案された際、文民統制を理由に断念させたことがあります。

最近中谷元元自衛官が防衛大臣になる際に野党は全く文民統制条項を問題にしませんでした。

昨今の政治家の護憲意識の低下、質レベルの大幅な劣化の証です。

自衛隊ができる前から文民条項にGHQがこだわった背景はこのように色々ありました。

2025年11月15日 記

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