冷戦時代には資本主義(自由主義経済)と共産主義(国家主導の計画経済)の対立があり日本の政界は安保政策を巡っても保守政党と革新政党がはっきり対立していました。しかし現在は自民党・公明党と立民・社民・共産党との間に目指す経済体制(遠い将来像は別として)や安保政策に大きな違いが無くなってしまいました。

そんな中で野党が与党と社会福祉政策で差別化をはかろうと社会福祉の一層の充実をいくら唱えても「きちんと財源を考えてから出直して来い」と自民党に一蹴されてしまうのが落ちです。いまや与党と野党の政策の違いらしい違いといえば原発政策くらいのものですが野党の一部には原発推進グループもおりそれすら一概にはそうとも言えない状況です。昨日も書きましたが選挙の争点に社会福祉の充実、コロナ対策の徹底などをいくら新たに提案してみても与野党の政策の対立軸にはなりません。新型コロナによるパンデミック対策は与野党を超えて克服すべき課題であり自公政権の対応を色々批判はできますが彼らなりに対策を進めていると反駁されます。菅首相の再選出馬断念もコロナ対策に集中するためと一応つくろっています。(ほんとのところは総裁選で負ける可能性が高いから)

先述のとおり安全保障政策でもかつては保守自民党は再軍備賛成、革新社会党、共産党は再軍備反対、と対立軸が明確でしたが今やどちらも自衛隊を合憲といい、米軍駐留を認めて日米同盟は外交安全保障政策の基軸などと言っています(本書101ページ)。私は今でも野党は安保政策を巡って自民・公明・維新に対してハッキリした対立軸を持つべきであると思います。

本書「自衛隊も米軍も、日本にはいらない」で提案(本書第2章)している「災害関連省庁の統合、自衛隊の衣替え、災害救助即応隊ジャイロの創設」をすぐにでも実現しようと野党が自衛隊廃止を選挙の争点として争うなら話は別ですが、今回の総選挙では野党が自衛隊廃止を争点にすることは絶対ありません。本書を1千万人の国民が読んでその素晴らしさとこの政策が夢想でも妄想でもなくすぐにも実現できる現実的政策であると気付いた暁には新党を作ってでも自衛隊廃止、日米安保廃棄を選挙の争点として選挙戦を戦うつもりです(本書第4章)。そうはなっていない状況で来るべき総選挙で野党が政権交代して自分たちは何をするのか、今の与党の政策のどこを変えるのか、なぜ今政権交代が必要か、を有権者に納得させるのはそう簡単ではありません。対立軸としてハッキリしているのは原発再稼働反対くらいのものですが残念ながら反原発を争点とするだけの選挙では与党に勝てません。本書を読みこのピースアゴラに集い私たちの絶対平和の提案に同意・共感された方は是非とも野党の実力者その他心ある野党政治家、党員党友に働きかけてまずは政権交代の実現に目標を絞り選挙のスローガンを「政権交代したら100日以内に自公政権の悪事をすべて暴いて黒塗り文書を公開して責任者に罪を償わせること、任期中に前政権による強行採決法案をすべて廃止すること、に一本化してこの必勝スローガンをひたすら連呼て必ず勝利して欲しい、と訴えてください。私もできるだけ機会をとらえて努力します。自民党総裁選の動きを見れば岸田候補が森友問題の真相追及を少し口にしただけで安倍首相から早速、支持取り消しの恫喝を受けひ弱な岸田候補はすぐに自分の発言を撤回しました。これまで公職選挙法違反の疑いが高い政治活動をしながら逮捕を免れてきた自民党のベテラン議員などが派閥の力で自民党総裁選の行方を握っている限り政権交代の実現以外に悪の連鎖を断ち切ることは絶対できません。「悪が栄えて道理が引っ込む」日本社会をこのまま続けて良い筈がありません。

我々ピースアゴラの理想実現には現政権を変えることがまず必要です。

2021年9月7日 混迷極める自民党総裁選の内輪もめを見ながら 記

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