―以下小倉志郎さんの寄稿文の引用―

 国民の大多数の気分が「厭戦」であれば、政府が戦争をしようとしても無理だし、戦争中であれば戦争を継続することはできない。

残念ながらどこの国の国民も「厭戦」とは逆の「好戦」的気分を自然に持っている。

エンターテインメントの中には勝ち負けを競う「戦い」が基本のものが多い。

囲碁・将棋・トランプ・麻雀などのゲーム、あるいは、ボクシング・レスリング・柔道・剣道などの格闘技、野球・サッカー・バレーなどのスポーツ、その他数限りない「戦い」がある。

街中で人気のあるゲームセンターに行けば仮想空間における戦争ゲームまである。

電車の中で、スマホで戦争ゲームをしている人までいる。

実際の戦争はゲームの中の戦いとは全く異なるのだが、日本から遠いウクライナやパレスティナでの戦争を、大手メディアを通して観ている国民の中にはゲームや競技の観戦と同様に「好戦」的感覚で受け止めてしまう人も出てきてしまう。

これを危険な感覚だと決めつけて否定しても無くすことは不可能だ。

私たちは生まれつき「厭戦」と同時に「好戦」の感覚も持っていることを自覚し、後者が暴走しないように自己制御する必要がある。

日本国憲法第9条はその暴走を食い止めるガードレールのような働きをしてきたが、自民党はこのガードレールを取り外す「改憲」をしようとやっきになっている。

ガードレールを絶対に外してはならない。

2024年2月29日 記

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