本日の担当は元東芝原発技術者の小倉さんです

―以下小倉さんの寄稿文引用―

 日本に駐留する米軍の費用の8割を日本が負担しているという。名付けて「思いやり予算」。約6千億円とも言われている。世界一の経済大国である米国に対して「思いやり予算」を付けるとは思いやる相手を間違えている。

 話せば長くなるので省略するが、実は私はひょんなことからある県にある発達遅延児童の療育を事業とする特定非営利活動法人の理事長を引き受けざるを得なくなって4年が過ぎた。元原発技術者という経歴の私がこのような福祉事業に携わるのは人生で初めてのことだった。先天的障害、例えば、声が出せない、声が出せてもアイウエオの区別が付けられない、文字を覚えられない、などのハンデを持っているために、標準的義務教育を受けることができない子どもたちを預かり、子どもたちが社会の一員としてなるべく自立できるようになることを支援するのだ。その補助として政府から「障害介護給付金」という支援金が給付されているが、そんな大切な仕事なのに、子どもたちの面倒を見る能力を持つ人物を正規職員として雇う人件費にはまったく足りない。そればかりではない。場所を借りる家賃、光熱費、送迎の自動車の維持費、その他の経費を合わせると安定した事業経営などほど遠い状況だ。政府が思いやるべきは米軍ではなく、福祉事業を担っている国民だ。

2021年12月20日 記 小倉志郎

\この記事が気に入ったらぜひSNSでシェアしてください!いいねボタンも押して頂けるとうれしいです!/