―以下元東芝原発技術者小倉志郎さんの寄稿文の引用―

 テレビ・新聞・インターネットなどの情報システムが発達した現在、世の中は情報の洪水状態と言って良い。

政治の世界ではそのような環境の中で複数の勢力の間で情報戦争が行われている。

そこで使われているのが、発信者の意図が情報を受け取る側に効果的に伝わるように文章に工夫を加えるレトリック(rhetoric)だ。

最近は、文章のみならず、スクリーン上に図表・挿絵・動画などを加えて、さらに効果を上げている。

もともとレトリックには美辞麗句・誇張という意味もあり、そのまま信じることはできないが、原発や放射能について政府や電力会社が発信する情報にはレトリックの範囲を逸脱するものが多い。

故安倍首相は「安全性が確認できた原発は再稼働させる」と公言したが、現実には安全性が確認されていない原発をどんどん再稼働させた。

同首相の言はレトリックではなくウソだった。

同首相はまた、東京にオリンピックを招致しようと「(福島原発から放出された)放射能はアンダーコントロールだ」と世界に向けて発表したが、今もってコントロールなど全くできておらず、ウソをついたのだ。

彼の後継者たちも態度を改めていない。

先月始まった「汚染水の海洋放出」などは「薄めるから安全だ」と発表しているが、太平洋の海水で希釈して太平洋に放出するのだから、薄めても薄めなくても太平洋を放射能汚染する度合いには関係がない。

こんなウソを無批判に垂れ流す日本の大手マスメディアの情報を信じてはいけない。

2023年9月29日 記

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