(以下添付)と「危うい日本の教育行政」

朝日新聞9月29日付 「声」 無職 会田章一(新潟県 73)

 慰安婦問題を巡り、政府が「慰安婦」を使用することが適切だとする答弁書を決定したことを受けて、教科書会社が「従軍慰安婦」の記述を変更したり、政府見解を併記したりした。これでは、歴史認識の本質部分が失われてしまう。かつて日本語教育を強制した韓国の人たちとの友好関係を阻害することになるだろう。アジア各地に多大なる迷惑をかけた過去を持つ日本は存在感をなくすだけではないか。 言葉の言い換えによる本質の隠蔽(いんぺい)は戦時中に数多く見られた。退却は「転進」、戦死は「散華」、全滅は「玉砕」と言い換え、戦死者は「軍神」とあがめ、戦時下で疲弊する国民の目をごまかした事実がある。また昨今に成立した「平和安全法制」は「集団的自衛権の行使」に外ならず、「テロ等準備罪」は「共謀罪」の言い換えであり、「特定秘密保護法」は「知る権利収奪法」とでもいうべきものだ。言葉を言い換えることにより、不都合な本質を覆い隠し、目をくらませる戦術は日本政府の常道なのか。言葉を武器とするメディアは大いに指弾し、その本質を白日の下にさらして欲しい。ー以上引用終わりー

拙著「自衛隊も米軍も、日本にはいらない」に共感されている会田章一さんの投書のご意見に私も全面的に賛同します。戦前の軍国レジームを美化したい保守派にとって不都合な真実を隠蔽する意図からでていることは明らかですが、それはさておいても戦争中に「従軍慰安婦」という用語は使われていなかったから教科書にはその時代に一般的に使われていた「慰安婦」という名詞を使うべきである等と訂正を求める文科省・自民党の大きな勘違いを指摘して皆さんと共有したいと思います。

過去の歴史的事実についてその事実が起きている同時代の人々が現在一般的に使われている用語を使うことはなかったのは当たり前のことです。今では「明治維新」と教科書に書いていますが1967年、幕末・維新の時代に庶民は唯「御一新」と言っていました。政府の見解は、だから「明治維新」の表現はおかしい、というのに等しい誤った判断です。教科書の記述に圧力を加えようとする自民党と文科大臣以下文科省の担当者の陰湿な圧力と直感しました。過去に起きたある事象を後代、歴史的事実として表記する際に後代の人々に事実をより分かりやすく説明するために事件のあった当時の元号など補足的形容詞を付け加えたりすることは「安政の大獄」など、よくあることです。形容詞の中身が間違っているならいざ知らず「当時はそうは言わなかった」などとクレームをつけるとは何と的外れなことか。この国の将来がかかっている教育行政をこんな人たちに任せておいて果たして良いものか?

2021年10月1日 今月中の衆院解散を前に益々政権交代の必要性を痛感しつつ 記

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