今回もピースアゴラ呼びかけ人のおひとりで原発の現場を建設当初から熟知されている元原発技術者小倉志郎氏の安保問題に関するご意見をお読みください。

「日米安保条約を廃棄しよう」さらには「5年以内に廃棄しよう」などと言えば身近な人々から「そんなことをアメリカがOKするわけがない」とか「非現実的だ」と言われるのが落ちだろう。しかし、本当にそうだろうか?1945年8月15日に第二次世界大戦で日本が無条件降伏をしてから6年後の1951年9月8日に調印されてから、この条約のおかげで70年間(敗戦時からの占領期間を加えれば76年間)、日本の国土は外国の軍隊が自由気ままに使い放題の状態が続いてきた。いくら日本が敗戦国だとしても、こんな不平等条約がいつまでも続いて良いわけがない。もうそろそろ、不平等条約の破棄を求めるのに遠慮することはない。しかも、都合が良いことに、日米安保条約(1960年6月23日改訂版)の最後の第10条には次のように明記されている。

「(前略)もつとも、この条約が十年間効力を存続した後は、いずれの締約国も、他方の締約国に対しこの条約を終了させる意思を通告することができ、その場合には、この条約は、そのような通告が行なわれた後一年で終了する。」

日本では自分より強い立場の者に対して「忖度」をして、正直な要求を遠慮する文化があるが、アメリカには立場の違う者同士が「交渉」で解決する文化がある。日本が意思を通告すれば「交渉」を拒否することはない。こんな屈辱的な「不平等条約」が続いてきたのは、ただ日本が一度も「破棄通告」をトライしたことが無かったからだ。ひょっとすると我々日本国民の一部(自民党中心の保守政権)が米軍の傘を必要と思い込み駐留を求めてきたからかもしれない。しかし本書にあるように米軍の駐留は日本にとって実は百害あって一利もないのだ。たとえ一度で「交渉」がまとまらなくても、二度、三度と根気よく続ければ必ず良い結果を得ることができる。「案ずるより産むがやすし」と昔から言うではないか。(小倉志郎

2021年9月30日 「自民党の正体はやっぱり既得権擁護の反動政党」を新役員人事案で再認識しつつ 記

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