ピースアゴラ呼びかけ人のおひとりで元東芝原発技術者の小倉志郎さんの新しい寄稿です。

最近、「日本国防協会」の 機関誌「日本の国防」令和2年新秋号 第134号に載った論文「憲法改正の課題 ~憲法9条に自衛隊を明記する案について~」を読んだ。筆者は「福山市立大学講師 安保克也」とある。文献欄まで含め12頁と長文で、安全保障問題の多くの専門家の諸説を紹介している。憲法9条と軍備の関係について著名な学者や評論家の個性的で多様な見解がかなり詳しく書かれていて、筆者がそれらに批判を加えて最後に自分の見解を述べている。丁度1年前に書かれた論文なので、さぞかし最新の現実を踏まえた論議なのだろうと期待したが、まったくの期待外れであった。なぜかと言えば、この論文に紹介されている全ての論者および筆者自身が、日本の最大の弱点である海岸線に並べられた原発の存在に一言も触れていなかったからである。原発が武力攻撃されたら、大量の放射性物質が環境に放出され、日本中が福島原発事故による放射能汚染地域のようになり、安心して暮らせる国土を永久に失うことが容易に想像できるのに誰も論じていないのだ。彼ら「専門家」たちは「原発を並べていても自衛戦争ができる」と考えているのだろうか?原発を自衛隊や米軍などで守ることは不可能だから、私は、このような考えは大矛盾だと考えている。この大矛盾に気が付かないからこそ、日本の安全保障のために軍備が必要だ、そして、そのために憲法9条の「改正」が必要だ、などと主張するのだろう。「専門家」などにお任せしていると日本は本当に滅亡しかねない。滅亡を避けるにはどうすれば良いか、今こそ一人ひとりが真剣に考えなければならない。

この問いに対する回答は「自衛隊も米軍も、日本にはいらない」―花伝社― に明確に示されている。まだお読みでない方はすぐにもお読みいただき、ご家族や友人の皆様にも是非すすめていただたい。

2021年10月3日  小倉志郎 記

緊急告知  明日10月4日天候が許せば正午12時から2時間ほど本郷3丁目の交差点「かねやすビル」前で小倉志郎氏(尺八)と私「楽団ひとり」(三味線)で”政権交代を実現しよう”辻立ちキャンペーンを実施します。お時間のある方はどうぞお立ち寄りください

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