本日の担当は元東芝原発技術者の小倉志郎さんです。

―以下小倉さんの寄稿文の引用―

 私たちは「楽しい旅行に行く」という目的を持つと、普通はそのために必要なお金を「貯金」する。貯金は目的を実行するための手段と言えるだろう。しかし、世の中には何に使うかわからないけれども一生懸命「貯金」を殖やすことに全力を挙げている人もいる。つまり、「お金を貯めること」が目的になって手段ではなくなってしまった人もいるのだ。

 実はお金だけじゃなく、他のことでも似たようなことが沢山ある。その一つが憲法だ。憲法は、一人ひとりの国民が幸せに暮らすことができるという目的のための国の形を示した文章であり、手段と言っても良い。しかし、今の日本のあり様を観て、憲法が手段として十分に活かされているだろうか?国民の収入の格差は広がり日々の食事や住む場所の確保もできない人々が増えている。敗戦直後には至る所で観た「乞食」を21世紀になって、自宅の最寄りの横浜駅界隈で目撃したのには驚いた。憲法の文言を変えさせない護憲運動も大事だが、文言が変わらなくても、貧乏人が救われず、憲法違反の自衛隊という軍備の増強が続き、米軍が占領軍のように自由に振る舞うようでは、単に手段の確保で終わる中途半端な護憲運動だ。

憲法を手段として、平和の下に国民一人ひとりが幸せに暮らせるという目的を達成する本当の護憲運動をしよう。

2021年12月10日  記 小倉志郎

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