日本の代表的な辞書である広辞苑には「デモ:デモンストレーションの略。特に示威行進をいう。「デモをかける」「デモ行進」「デモ隊」」と説明がある。つまり、日本ではデモの目的が「示威=威を示す」であることが定着している。「威」とは「おどす」「力ずくで相手をへこます」「おそれさす」という意味だから、デモ行進を見る人が威圧感を受けるのは当然だ。このようなデモをいくら実行しても、世の人々に同感してもらい、仲間を増やすことができない。それに気が付いた人々が音楽やパフォーマンスを取り入れた「楽しいデモ」を始めている。新宿や渋谷ではそういうスタイルのデモがたまにはあるが、国会の周りや首相官邸前などでは相変わらずの「示威」的スタイルだ。右翼の街宣活動では、新橋駅前では街宣車が「上を向いて歩こう」のメロディーを流し、横浜駅前では街宣車の塗装色がピンクとクリームだ。宣伝活動から「威圧」感を拭い去ろうとしている。デモが終わった後、主催団体から「参加者〇千人で大成功でした」などの報告があるが、これも人数の多さが人々に「威圧」感を与えていることに気が付いていないのだろう。

 もうそろそろデモの目的を「示威」から「示意」に変えよう。「示意=意思を示す」が目的となれば、デモのやり方にいくらでも工夫することができる

2021年12月28日 記 小倉志郎

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