本日の担当は元東芝原発技術者の小倉志郎さんです
―以下小倉さん今年最後の寄稿文の引用―
若い頃から後期高齢者の今まで、数えきれないほどデモに参加してきた。デモ行進をしながらリーダーのマイクに合わせてシュプレッヒコールの声を上げた。国会周辺の道路では両側を機動隊員の列に挟まれながら歩きながら叫んだ。銀座通りではビルの谷間で空を見上げながら叫んだ。渋谷の繁華街では歩道の若者たちから珍しそうな視線を浴びながら叫んだ。それぞれの場面で共通に感じたのは「むなしさ」であった。仲間や自分の声に対する何の反応も感じられなかったからだ。叫ぶ訴えを誰が聴いてくれ、どんな効果があるのか、手応えがない。これまでの実績から、国会の中の与党議員や官邸内の首相が私たちの声に耳を傾けて政索に反映したことはほとんどゼロに近い。政権を握る彼らが「聴く耳を持たない」ことを嫌と言うほど体験してしまった。彼らがそのような態度を続けられるのは「選挙やれば勝てる」と思っているし、事実そうだからだ。つまり、一票を持つ国民が与党に投票してくれるかぎり政権を握る大臣や議員は「聴く耳を持たない」だろう。
選挙に影響を与えることができるデモとなれば、国民を相手に訴えるのが一番だ。ならば町の中で出会う大勢の見知らぬ人々を相手にすれば良い。何も遠路電車賃を払って国会周辺で大勢の同志たちが集まる必要はない。散歩や買い物、その他の用事で外出する時に「一人デモ」をすれば良いのだから、毎日できる。私の6年間の「一人デモ」の経験から、従来型デモよりもはるかに大きな手応えを感じている。
2021年12月30日 記 小倉志郎
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