本日の担当は元東芝原発技術者の小倉志郎さんです
―以下小倉さんの寄稿文の引用―
ウクライナ戦争は本年2月24日にロシア軍がウクライナに攻め込んで始まった。
即ち、表向きは、強大な軍事力を持つロシアという「強者」が軍事力で劣るウクライナという「弱者」を侵略したからロシアに「絶対悪」というレッテルが貼られている。
日本ではそのレッテルを信じた人々の「ウクライナが可哀そうだ。支援しよう」「ロシアは怪しからん。みんなそろって批判してロシア軍を撤退させよう」という声がまるで合唱のように騒がしい。
ウクライナ戦争の場合、「表の当事者」と「裏の当事者」があって、ことはそう簡単ではない。
表の当事者が武器を捨てたいと思っても、裏の当事者が捨てさせない。表の当事者が「弱者」でも裏の当事者が「強者」の場合もある。
戦争とは「複雑系」と考えるべきだ。
「複雑系」の代表は人間だ。
人間は肉体と精神から成るが、肉体も複雑系だし、精神だって複雑系だ。
その両者が組み合わさった人間はたった一人でさえ複雑系だ。
まして人間集団である国家は一段上の複雑系であり、複数の国家間の「戦争」という社会現象の複雑さは人間などの想像を絶するものだ。
一次元的な「勧善懲悪」という考え方でウクライナ戦争が判ったつもりになっていると判断を誤る。
今は冷静に、且つ謙虚にデマを含む各種の情報を集め、信頼できる仲間と協力して「戦争」の実態を把握し、実効性のある具体的な停戦の糸口を見つけることに注力すべきだ。
2022年4月17日 記 小倉志郎
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