人は深谷出身で新1万円札の渋沢栄一翁を思い浮かべるだろう。

私が勤務した銀行創設者であり著名な企業をいくつも起業した偉人だ。

しかし日中国交回復実現の実質仕掛け人、平和の巨人が埼玉県にいたことを知る人は少ない。

その人の名は遠藤三郎元陸軍中将である。

元超エリート軍人でありながら余生を非武装中立運動に捧げた埼玉の偉人だ。

先日、地元の図書館で郷土の作家による作品の展示コーナーで拙著「新版自衛隊も米軍も、日本にはいらない」が展示されているか確認に行ったら同じ書棚に大先輩遠藤三郎さんが署名入りで寄贈したご著書「日中一五年戦争と私」1975年11月15日第1刷発行(516ページ)-日中書林―が目に止まった。(写真は本人の署名)

大先輩の大書の隣に拙著をそっと移動して、しばし幸福感に浸った。

副題には「国賊・赤の将軍と人はいう」とある。

戦争の実態を何も知らない岸田、木原など彼から見たら幼児のような政治家に読ませたい。

本の帯の推薦者の言葉を抜粋して引用する。

1)澤地久枝: フランス仕込みの魅力的な紳士でもある遠藤先生は、生粋の職業軍人として生き抜いた反省の総決算が、武力なき世界へのゆるがぬ信念であった。そのすべてがここに凝縮している。

2)中島健蔵:この回想の特徴の一つは、いわゆる「満州事変」以後の戦争の実情を、筆者自身の体験によって記述し、その裏付けを私的公的資料によって固めているところにある。職業軍人である以上、反戦とか、体制批判とかには縁がなかった筆者が、なぜ現在、再軍備に反対し平和憲法擁護に挺身しているかがはっきりとわかる。戦争を経験しなかった人々は、この中から、普通の戦記や戦史とは違う認識を発見する必要がある。

五味川純平:明治、大正、昭和の三代にわたり70年近く書き続けられてきた「遠藤日記」。本書は老将軍が秘蔵の日記を駆使しつつ、非武装永久平和への悲願をこめて、赤裸々にその半生を綴った痛恨と祈りの書であり、次代の若人に遺す遺書、生きた昭和史だ。

―以上―

私の「軍備は役立たず、税金の無駄遣い」の揺るぎない確信は遠藤三郎翁の伝授による。

2024年5月18日 記

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