本日は元東芝原発技術者の小倉志郎さんです。

―以下小倉さんの寄稿文の引用―

北朝鮮が核兵器を持ち新たなミサイルを開発したとか、中国が軍事費を増やしたことを取り上げて、日本にとっての脅威が増したなどというニュースを大手メディアが流している。

そういうことを理由にして、日本の軍事費を倍増させるべきだという主張まで現れたから、日本にとって本当の脅威とは何かを考えてみよう。

 兵器が一人歩きして日本を攻撃するわけがない。

あくまでその兵器を相手国の人間が使って初めて威力を発揮する。

つまり、相手国の人間が日本を攻撃したいという心境になった時に脅威が生まれるわけだ。

では、このところ、相手国である北朝鮮や中国の人びとの心境に何か変化があったのだろうか?

そのような心境の変化を客観的に調査したという話を聞いたことがない。

それなのに「脅威が増した」という論調の発言が政府から頻繁に流されている。

これは為にする論であると言わざるを得ない。

 度々書いているが、日本は海岸線に50基以上の原発を並べていて、それらは相手国が引き金を握った核兵器である。

相手国が核兵器もミサイルも持っていなくても、一人で携帯できる小型ミサイルで原発を攻撃すれば日本を滅亡させることが可能であり、それを防ぐことは不可能だ。

つまり、相手国が日本を憎み攻撃したいという心境を持つことこそが本当の脅威なのだ。

ならば、脅威を無くすためにすべきはこちらの軍備を増強することよりも、相手国の人々が日本に対する憎しみを持たないような外交をする方がはるかに有効なのだ。

2022年4月28日 記 小倉志郎

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