日本政府、安全保障会議(NSC)は中国や北朝鮮、最近はロシアも加えて日本の安全保障上の脅威と見ている。

しかし「アメリカと軍事同盟を結び日米軍事一体化のもとで世界一の軍事力を誇示している日本のほうがよほど脅威だ」と彼ら側の眼に映る視点に立つことも忘れてはならない。

東アジア大陸から太平洋に出る出口は全て米海軍と海上自衛隊にふさがれている。

中国や朝鮮半島の人々は過去150年の間にたびたび日本から侵略された歴史的事実がある。

だから日米の軍事力を自国に対する脅威とみて備えようとするのは無理もない。

明治以来、日本は様々な口実を設けて侵略戦争を仕掛けてアジアの人々に苦痛と犠牲を与えてきた。

そして戦争で得た戦利品・賠償金で経済を潤して国力発展の原動力にしてきた。

戦後日本の奇跡的復興も日本人が勤勉だったから成し遂げたのではない。

数百万人の犠牲者を生んだ朝鮮戦争の軍需物資調達の需要いわゆる朝鮮特需が起きたおかげである。

アジア近隣諸国の人々が最近日本の国会がウクライナ戦争に便乗してさらなる軍備拡張をはかろうとする動きを見て恐れ警戒するのは歴史的な裏付けがあり理解できる。

しかし彼らから侵略されたこともない日本が彼らを脅威と見るのは単なる被害の誇大妄想だ。

或いは脅威を煽ってアメリカから戦闘機やミサイルを大量に買いアメリカの歓心、国内保守派・国防族の支持、そして日本の軍需産業からの政治資金などを得て政権を維持浮揚させたい思惑からかもしれない。

これらの脅威論に我々がよく考えもせずに同感したり日本政府の動きを看過していては東アジアの緊張は高まるばかりだ。

彼らの日米の軍事行動にたいする猜疑心や不安を取り除き東アジアの緊張を解くことが最も重要だ。

そのためにも日米安保条約廃棄と自衛隊を非軍事組織に衣替えする本書『自衛隊も米軍も、日本にはいらない』の提案、国際災害救助即応隊(ジャイロ)構想を日本は遅くとも2025年までに実現しなくてはならない。

2022年6月4日 記

\この記事が気に入ったらぜひSNSでシェアしてください!いいねボタンも押して頂けるとうれしいです!/