本日の担当は小倉さんです

―以下小倉さんの寄稿文の引用―

 西暦2世紀にプトレマイオスが確立した天動説が、コペルニクスによる地動説によってくつがえされるまでに約1400年の時間がかかった。

1543年にコペルニクスが「天体の回転について」という書物を刊行してから、ローマ法王庁がその異端性に気が付いて禁書にしたのは刊行から90年も経っていた。

ガリレオが地動説を支持したために有罪の判決を受け、その判決の誤りをローマ法王庁が認めたのは判決後350年後だ。

地動説が世に現れてから世界の常識になるには気が遠くなるほどの時間がかかった。

 今年の2月ウクライナ戦争が勃発し、原発が戦場という環境に晒されるという事態に世界が直面することになった。

今月には欧州最大のザポロジェ原発が砲弾やロケット弾の攻撃を受け、IAEAや国連安保理が対応策に困っている。

EUの中からは原発の周辺地域は「非軍事地域」に指定して戦闘禁止区域にすべきという声も上がり始めた。

 日本に当てはめてみれば、海岸線に50基以上の原発を並べていて、各原発を中心に半径100マイルの円を描けば、日本のほとんどがその範囲に入ってしまい、外側に残るのは沖縄、北海道の東部、紀伊半島の南端くらいだ。

即ち、日本で戦闘ができる範囲はほとんど残っていない。

日本国憲法第9条に書かれた「非武装」こそ、実は「現代の地動説」だ。

「軍備で国が守れる」という「現代の天動説」がくつがえされるのは時間の問題だ。

2022年8月14日 記 小倉志郎

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