―以下本日担当の小倉志郎さんの寄稿文引用―
ある程度の年配になれば多くの人が人生には「自分との闘い」が必要なことに気が付くだろう。
何か失敗した時に、その原因や責任を他人の所為にばかりしていてはまた同じ失敗を繰り返す可能性が高く、自分の過去を振り返って、自分自身に失敗の原因や責任があることを反省すれば、同じ失敗をしないで済む。
これが「自分との闘い」であり、簡単なようだが、人間は自分よりも他人の所為にしたがる習性があって難しいのだ。
ところが、似たようなことだがもっと難しいことがある。
それは「自分」が複数の人間の集団の場合の「自分との闘い」だ。
換言すれば「私たちによる私たちとの闘い」だ。
今の日本では戦後最悪の政治が続いている。
政府はアメリカ政府の操り人形のように日本国民の福祉を犠牲にしながら、アメリカの軍需産業の儲けに貢献するばかりでなく、米軍の指揮下で自衛隊が戦争に参加せざるを得ない体制をつくりあげてしまった。
一方、護憲・平和運動をしている私たちは、「悪いのは政府であり、私たちは善である」という姿勢で政府の批判ばかりをしてきた。
しかし、そんな政府をつくったのは主権者である私たち自身である。
真に批判すべき相手は何と私たち自身なのだ。
過去・現在の護憲・平和運動のほとんどのデモや集会が「自分との闘い」をしようとしていない。
これでは、私たちはまた「いつか来た道」をたどる可能性が高いと言わざるを得ない。
それを防ぐために私たちは「自分との闘い」をしなければならない。
2023年4月4日 記
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