―以下小倉志郎さんの寄稿文の引用―

 一度始めたら止められないことが世の中には色々ある。

酒・たばこ・ギャンブルはその代表だ。

健康や家計への悪影響があるとわかっても止められない。

見つかれば逮捕されるとわかっていても止められないのが麻薬だ。

一方、有益で楽しくて止められないものとして多彩な趣味がある。

私の場合は20年前に始めた尺八だ。

これらは個人の場合だが、集団の場合、株式会社という法人では「金儲け」が止められない。

いくら儲かってもこれで十分という限度がない。

新興宗教では信者を増やす布教を止められない。

国家の場合では「戦争」を始めるとどちらか、あるいは両方の戦闘能力が無くなるまで止められない。

昔から総じて「始めるより、止める方が難しい」と言われている。

今の日本を眺めれば、その例が軒並みだ。

安全を保証できない原発利用、

核燃料サイクルが破綻して無意味になった六ケ所村再処理工場の工事、

明らかに憲法9条違反の武力である自衛隊の保持、

完成しても利用価値の無いリニア新幹線、

完成の見込みの無い辺野古の米軍基地建設、

などなど。

実は、「戦争」に絶対に巻き込まれないために、7年半前に私は「一人デモ」を始めて、毎日続けている。

初めて街を行く見知らぬ人々の間を、プラカードを吊るして歩く時はとても恥ずかしかったが、今では単なる政治的宣伝ではなく一種の趣味のように楽しく、止められなくなった。

始める友人も増えてきたが、彼らもきっと止められなくなるだろう。

2023年11月23日

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