―以下小倉志郎さんの寄稿文の引用―
おとといの晩、私はファンである歌手のライブを聴きに六本木に向かった。
地下鉄「六本木」駅から地上に出たら、金曜日の晩で仕事帰りにどこかに寄ろうとする人々で混雑していた。
ライブハウスへ向かおうと歩き出すと、狭い歩道に６～７人の20代と見える若い女性ばかりのグループが飲食店の前でたむろしている。
ぶつからないように気を付けながらその間を抜けた時に、グループの中の一人が後ろから声をかけてきた。
「いつからやっているのですか？」と。
もちろん、その時私はいつも通り、胸には「原発を並べて自衛戦争はできない」、背中には「自衛隊を戦争のための部隊から災害救助即応隊にしよう」と書いたゼッケンを付けていた。
予想外の反応にびっくりしながら私は「８年前の参議院選挙で改憲派が３分の２を超えてから」と答えた。
すると話がはずんで、彼女の連合いが自衛隊員であることがわかった。
私が「殺し合うことより、災害救助を専業にする部隊になったら自衛隊員も喜ぶでしょう」と言うと、彼女も頷く。
仲間が「早くおいで」と言い残して先に店に入ってしまったので、長話はできなかった。
しかし、最後には彼女は自分の名刺をくれた上に、スマホで私とのツーショットを撮ってメールで送ってくれることになった。
私のような老爺がたった一人でデモをしていたからこそ、安心して声をかけてくれたのだろう。
2024年5月19日 記
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