―以下小倉志郎さんの寄稿文の引用―

 茶飲み話で政治を話題にするのはマナーに反するなどと言う話を聞いている。

サラリーマン時代は社内での政治活動は禁じられていた。

大学で教師をしている友人は授業中に政治に関する自分の意見をしゃべると学生やその親から学校当局に「変な先生だ」と密告されると言う。

私がいつも利用している公共施設の規則にも政治活動は禁止と記されている。

これでは「政治」にかかわることが世の中にとって悪いことのような風潮が生まれるのも当然だ。

昔から「君子は危うきに近寄らず」という格言まであるくらいだ。

これが、今の日本で起きている様々な社会問題の解決の妨げになっている。

例えば、2011年3月11日に起きた福島原発事故を経験した当時の民主党政府は原発利用を徐々に減らして原発ゼロを目標にしたが、自民・公明連立政権に代わってから遂に今後原発を最大限利用すると方針を180度変えてしまった。

科学者や技術者を含む多くの国民の反対に対して、まともに説明も無しにである。

原発という発電設備の問題は、今や科学・技術の問題ではなく、正真正銘の政治問題と化してしまった。

どんな原因であれ、原発がまた重大事故を起せば日本は環境の放射能汚染によって私たち国民が生物として生き延びる国土を失い滅びてしまう。

政治問題になったからには、解決には単に科学的・技術的な理論だけでなく、政治的な手法も活用することが必要だ。

2024年1月18日 記

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