―以下小倉志郎さんの寄稿文の引用―

 私たち護憲派は「目に見えない敵」と闘っていることを肝に銘ずべき、と前回書いた。

その「目に見えない敵」、即ち「真の敵」とは何か?

それは私たち国民の持つ「弱さ」だ。

個人でも自分の姿を自覚することは至難だ。

まして、国民という集団の場合はなおさらだ。

一見、敵は憲法改悪に向けて次々に様々な既成事実を積み上げてきた自民党・公明党連立政権のように見えるが、それを生み出してきたのは私たち国民なのだから、真の敵は私たち自身だ。

政府などは私たちが選挙という手続きによって生みだしたもの、言わば「真の敵の影」のようなものだ。

影を批判しようが、罵倒しようが、真の敵にとっては痛くもかゆくもない。

真の敵、即ち、私たち自身が変わらなければ、日本の政治は良くならない。

どうすれば良いか?

理屈は簡単だ。

私たちが自分たちの「弱さ」を克服すれば良いだけだ。

ここから先が難しい。

先ず、克服すべき「弱さ」を知らねばならないのだが、そこに大きな壁がある。

自尊心(プライド)である。

自らの「弱さ」を認めるのをプライドが邪魔するのだ。

上記のような国民の「弱さ」を指摘すると「上から目線だ」として内容の議論に進もうとしない拒否反応に遭うのが普通だ。

自尊心は良心に直結する人間の本性だから、否定することはできない。

だからこそ、国民の「弱さ」の克服は一朝一夕にはできないのだ。

しかし、真の敵がわかれば、自ずと闘い方は変わらざるを得ないだろう。

2024年5月13日 記

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