―以下,元東芝原発技術者の小倉志郎さんの寄稿文の引用―
私たちは日常生活の色々な場面で「火」を使っている。
場合によってはその「火」による事故で怪我をしたり、命を失ったりもする。
「火」は便利でもあり危険でもある。
料理では火は欠かせない。
各種産業の動力でも、陸・海・空の交通機関でも、そして、何と言っても発電の大部分が「火」によっている。
危険だからと言って人間が「火」の利用を止めることなど不可能だ。
しかし、どうしても利用を止めなければならない「火」がある。
それは「原子の火」だ。
注意しなければいけない重要なことは「原子の火」には3種類あることだ。A:核分裂反応による発熱、B:核融合反応による発熱、C:放射性物質が発する放射線。
このうち、Aは既に各地の原発で利用されている。
Bは利用しようと研究されてきたが未だ実用化されていない。
Cは原発の運転の結果ウランなどの元素が分裂してできた放射性物質が使用済核燃料という形で各地の原発に膨大な量溜まっていて、それが放射線を発し続けている。
それが「原子の火」Cだ。
このCを人間の能力では消すことができない。
様々な放射性同位元素に固有の半減期によって減衰するのを待つしかない。
微量でも放射性物質を私たちの体内に取り込んでしまったら、ほぼ一生Cの火によって身体の細胞が焼かれ続けることになる。
しかも、Cにより体のどこをどう焼かれているか五感で感知することはできない。
こんな危険な火を生み出す原発は直ちに利用を止めねばならない。
2024年2月21日 記
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