―以下小倉志郎さんの寄稿文の引用―

 「防衛省」「防衛大臣」「防衛関係予算」「専守防衛」など、「防衛」と付く言葉が色々とある。

文字通り解釈すれば「防ぎ、衛る」である。しかし、一体、何から何を防ぎ衛るのかは言葉だけではわからない。

昨日、友人が録画してくれたNHK特集番組「自衛隊変貌の先~“専守防衛”は~」(2023年12月10日放映)を観た。

自衛隊の実戦能力を高めるためにこれまでに無かった訓練や各種の施設の建設の様子、地元住民への説明会、自衛隊員の家庭の様子など様々な角度から取材した非常にリアルなドキュメンタリー番組だ。

オーストラリアにおける米軍、ドイツ軍、自衛隊の共同訓練、大分県での弾薬庫の増設、沖縄海岸での上陸阻止障害物の建設、戦闘機の一般空港での離着陸訓練、など自衛隊の実戦行動が今にもできそうな印象を受けた。

ただ、すっぽりと抜けていることがある。

それは実戦になった時、国民をどうやって守るのか、である。

大分県の弾薬庫周辺の住民への説明会において、「戦いが始まったら、ウクライナのようになって、我々は守られないのでは?」という質問に対して、防衛省の担当官は「ウクライナのようにならないための抑止力になる」と、どのように住民が守られるかの説明をしなかった。

と言うより「説明ができなかった」のだろう。

遠方から飛んで来るミサイルから住民を守ることなど不可能なことは明らかだ。

これでは住民が納得するわけがない。

2024年6月4日 記

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