―以下小倉志郎さんの寄稿文の引用―

 自然現象や社会現象で実験が難しい場合、その現象を模擬して実験することをよく「シミュレーション」と呼んでいる。

模擬するには、実験装置を作ったり、コンピューターにプログラムを組んだり、国民が集団で演習をしたりとその方法は多様だ。

最も簡単なのは自分の頭の中で思考実験をするだけでもシミュレーションになる。

私の仲間から、「有事(=戦争)のシミュレーションをすべきだ」という声まで出てきた。

日米政府の「有事が近い」という宣伝と沖縄南西諸島のミサイル基地建設という現実に感じてのことだろう。

しかし、戦争のシミュレーションは難しい。

今から80数年前に大日本帝国が米英に先制攻撃をする前にも「机上検討」という敵味方の軍隊間のシミュレーションを行った。

条件を変えて何度やっても日本が勝つケースは無かったと言う。

結果は当然と言える日本の無条件降伏だ。

私はシミュレーションが無駄とは思わない。

むしろ、早くやってほしい。

それは、戦争になったら、1億人を超える一般国民の暮らしはどうなるかのシミュレーションである。

今、かすかに行われているのは、北朝鮮が「ミサイル」を発射した時の「Jアラート」による市民や学童たちの建物の陰や机の下への「避難」だ。

これでは戦争の模擬体験にならない。

もっと本格的な、電気・水道・交通システム・その他のインフラが機能を失ったらどうなるというシミュレーションを一日で良いから全国的に実施してもらいたい。

2024年6月6日 記

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