本書を読めばすぐにわかる 戦闘組織としての自衛隊・在日米軍は税金の無駄遣い百害あって一利もない わけ

“皆さん、世界の安全保障環境が今大変ですよ!“
と政府・国会や各種メディアから最近頻繁に聞こえてきます。テレビ・マスコミは番組時間や紙面を埋めるため、そしてなにより視聴率を上げてスポンサーからの広告収入をあげるため、躍起になってコロナ禍や今にも日本が攻められるかのような報道を流しています。
一方政治家は自分たちの地位・権力・収入確保の為つまり次の選挙で当選するため政治活動を続け、防衛省は予算増額と人員確保のため防衛白書で近隣諸国が今にも日本を責めてくるような記述をしています。
中国が6年以内に台湾を軍事占領するとか、尖閣諸島周辺を中国の公船が巡回し南西地域への海洋進出を急ピッチで進めている、とか韓国が竹島にどうしたとか。
しかし金門海峡、尖閣諸島、竹島がどこにあるか、ホルムズ海峡、バシー海峡がどこにあるか、など私たちの95%は知らないまま安穏な生活を続けています。私も自衛隊廃止・米軍撤退運動を進める必要上、軍事評論家や政治家の論考を数多く読みます。つい最近も季刊誌『情況』2021年春号の特集「国防論のタブーをやぶる」を読みました。威勢の良い、いかにも世界の政治状況を知り尽くしたかのように語る評論家や学者は大勢いるように思えますが実は一般大衆のほんの一部の人たちであることにあらためて気づかされました。
しかし重要なのは私たちの多くがそんな一握りの人によるとはいえマスコミを通じて情報シャワーを大量に浴びていつのまにか感化され“核ミサイルが飛んで来たらどうしよう”など不安に怯えて自衛隊・米軍に守ってもらおうなどと現実には絶対に無理・不可能なことをあてにしている人が多いことがいつまでたっても自公属国魂政権が安泰でいられる理由です。

このように地政学や地域の安全保障環境の悪化などを持ち出すグループは日本に住む人々全体から見ればほんの一握りの人々です。具体的には政府、防衛省、一部の政治家、一部の学者、軍需産業の政・官・軍・産が四位一体となってそれぞれの生活防衛のため生き残りをかけて頑張っている私が言うところの軍事村の人たちです
軍事村の村民は全体から見ればほんの一握りですが困ったことに原子力村と同様、村長は首相であり政府と一体で莫大な権力・資金と影響力を持っています。
このことは何も日本に限りません。世界中どの国を見ても一握りの軍事村の村長が自身の保身・生活防衛のため愛国の美名をかぶせて戦争の危機を国民大衆に煽っておりこの構図は万国共通です。
国際的に問題を抱えている北朝鮮、アフガ二スタン、イラン、イラク、シリア、トルコ、パレスチナ、イスラエル、ミャンマー、ベラルーシ、ロシアなど国家権力者はいかに独裁的で横暴であってもそこに暮らす一般の民衆はみんな家族や友人・隣人を大切にして平和に仲良く暮らしたいと望んでいる私たち同様ごく平凡な人たちです。
競艇の収益で財を為し日本船舶振興会(後の日本財団)を創設した故笹川良一氏ではありませんが人類皆兄弟です。
私たちは冷静に毎日の平穏な生活を守るため 平和な生活に百害を与えるばかりで一利もない軍隊を礼賛する「軍事力 命(いのち)」論、別名「軍事力万能」論などのまるでお花畑の論に踊らされないことが大切です。

このことは本書でも書いていますが、読者の中には、すぐさま、わけ知り顔で「自分たちはなにも軍事一辺倒とは言っていない、外交努力も勿論大切だ、著者は中国・北朝鮮の脅威や人権侵害をあまりにも無視し過小評価している!」などと反論されます。返す刀で「著者は紛争の現場で今何が起こっているか理解していない“脳みそお花畑の妄想家”」とまで酷評する方もいました。別に自慢するわけではありませんが私はそんな甘っちょろい夢想家ではありません。私は18歳で東大受験と共に滑り止めに国家公務員初級職試験を受けトップ合格しました。直後に全省庁から入省の誘いがありましたが私は何より世界平和を目指す職業を選ぶ気持ちから大蔵省、通産省などからの誘いを断り外務省を受験して内定をもらいました(東大入試に失敗したら是非来て欲しいと)。さいわい入試にパスし外務省には行きませんでしたが社会人になった後も海外任地の大使館とは常に交流を深め大使・公使・総領事などとの親交を深めてきました。あくまで外部者としてではありますが外交にも通じた著者が60年以上政治や世界の動きを間近に見聞した経験を踏まえて語っている言葉を軽々に夢想家の考えと勘違いしないで欲しいものです。

軍事力を背景にしながら行う外交、別名「外務相と防衛相のペア―で行うツープラスツー外交」を私は真の平和外交の名に値しない「脅迫外交」と考えます。外交官試験を受けて入省するのですから世襲制でありませんが“親子2代続けて外交官“は私の知人にも昔から大勢おりました。おそらく現在もいることでしょう。在外公館で特別待遇を受ける外交官の親の姿を見た子女たちにとっても外交官は憧れの職業なのでしょう。しかし最近の日本外交、例えばミャンマーの軍事クーデターに対する対応を見ていると彼(女)らが日本の真の平和自主外交の志を持っているか疑いたくなる場面がしばしばです。今こそ日本の外交官はその存在価値を問われていると思います。

今年行われる総選挙では自公政権は前回の衆議院選挙と同様、近隣諸国からの脅威に対する不安を悪用して「国難突破選挙」などと国民の愛国心を駆りたて自民・公明・維新の候補者の当選に躍起になることと思います。私たちはそんな安っぽい野望、戦略を見破ってアメリカ追随一辺倒で平和のビジョンも何もない自公の金権・隠蔽・汚職・世襲政治とキッパリ決別するチャンスです。自衛隊を廃止し日米安保を廃棄する非武装中立国日本の建設に賛同する志のある候補者を擁立、応援し最低でも衆議院で同志5名の当選を実現しましょう。そのための戦術の進め方や組織作りなどについて広く皆さんの建設的なご意見を求めます。

2021年6月4日記

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